審議会傍聴報告:2018年第3回図書館協議会 その2

今回は、第3回図書館協議会の第2弾です。

以下の審議次第では、報告事項(1)の平成30年第3回(9月議会)市議会定例会等報告からです。具体的には、図書館業務に関する市議会の一般質問の報告についての内容説明です。図書館からの報告では、4名の市議が図書館関連の質問があったという報告です。大きく分けると「団体貸出制度の見直し」「LGBTへの理解促進に関する対応」「新庁舎への図書館の設置」という3つのようです。市側の報告では、この質問への詳細な回答の概要は伝えられませんでした。あくまで、そうした質問(提案)があったにとどめられました。

このことから、見えてくるのは、図書館協議会自体の機能は、図書館長の諮問により、意見をまとめて、述べることと、図書館長に意見を述べることができるとされているためか、生涯学習課への図書館に関する市議からの提案、意見はそのまま、協議会に掛けられるわけではなく、あくまで図書館長(生涯学習課との調整の上)が必要と認めて、諮問しない限り、この場には出てこないことです。唯一、市側から、質問への回答として提示されたことが報告されたのが、沖浦市議の「図書の学校などへの団体貸出制度」についての回答でした。この施策は、この協議会でも子どもの学習支援というテーマで取り上げ、審議されているものだからです。

市議の質問や提案も余程、テーマを絞り、さらに「この件で図書館審議会で是非、検討してもらえるようにしてほしい」とでも付け加えないと難しいのかもしれません。

今回の調査報告では、その唯一回答された「団体貸出について」の沖浦市議の質問がどのようなものだたのかとその結果のこの協議会への報告の顛末をご紹介します。

まずは、図書館協議会への市側からの報告です。以下のようなものです。

「市議から、利用しやすいように制度見直しの提案がありました。借りやすいように選書するようにしてはとの提案がありました。このことに関しては、市側からは、今年度は、1年生向けに職員が「選書パック」を提案して、利用促進が図られ、今後もこうした手法を広げていきたいと考えていると答えました。」

この報告に対する協議会での質問は、「選書パック」活動についてで、以下のようなのものでした。

質問:「選書パック」具体的には、どの程度の規模で実施されたのですか?

回答:1年生向けに9パックが用意され、配布されました。おおむね好評で全セットが貸し出されたので、この試みを広げていきたいと思っています。

質問:良いことだとは思います。ただ、実際に団体貸出を利用しない学校などに広げていってほしいので、全体でどの程度、申込みがあり、市内の小学校全体の1年生クラスのどの程度が利用して、どの程度が利用できていないのかや、そうした利用できていないクラスへの「なぜ、利用しないのか」などを調べて、改善していく努力が大事なのではないでしょうか。

回答:団体貸出の申込みは、14クラスでその申込対象に対して、9パックが提供されました。

質問:従来の団体貸出申込み以外にさらに広げていくために「選書パック」が提供されたのではないのですか?

回答:予算の関係で貸出可能図書規模から、選書パックを9パックとして、申込み14クラス中、9クラスに提供して、5クラスには提供できなかったということです。

質問:それでは、希望クラス全部には、図書はゆき渡らなかったということなんですか?では、この制度を認知と利用度を知りたいのですが、一体、市内の市立小学校の1年生のクラスは全体で何クラスあって、その何割が申込をしているのですか?

回答:(全クラス数を電話で確認後)、市内の小学校1年生は、全29クラスありますので、14クラスの申込なので、全体の約半数弱が申し込んでいることになります。

質問:その内の9クラスですか?もう少し拡大できないのですか。大事なのはこの制度を使っていない学校だと思います。利用されていない理由を把握して、その改善に努めて欲しいと思います。

回答:毎年、5月に団体貸出の案内を全学校に送付しているのですが、その案内しっかり読まれているのか、十分には把握できておらず、そうした現状のヒアリングを進めようとしているところです。

どうも制度自体の実施方法と認知が不十分なようです。沖浦市議は、こうした制度の実態も実際に小学校などにヒアリングして、「誰が学校側で希望する図書を選定しているのか」「学校図書、学級図書の違いからの団体貸出図書の位置付け」「制度認知の方法」などを細かに質問されているのですが、そうした内容は、この協議会までは、伝わりませんでした。

参考に以下に沖浦氏の質問項目とその実際の質問のWeb傍聴ができるように以下にご案内します。参考にしてみてください。市議会と市や市長の諮問機関としての審議会の微妙な食い違いが見て取れると思います。もちろん、沖浦氏の提案は、この制度の拡大というよりは、実際に貸出のための図書選定をPTAや図書ボランティアなどが実施していて、その負担を軽減しようというものですが、制度自体の課題も色々な面で見えてくるので、Web傍聴をお勧めします。

〇沖浦氏の「図書の学校への団体貸出について」の一般質問の情報

この質問のWeb傍聴用の動画ファイルは、こちらをご覧ください。沖浦氏は14:00からの質問なので、この動画ファイルでは、後半になります。

図書館協議会の委員の方に、是非、傍聴をお勧めしたいものです。

<その2、以上>

 

 

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