審議会傍聴報告:2018年第3回図書館協議会

今回は、初めて傍聴する「図書館審議会」です。今回は、事前に図書館審議会関連の情報を学習、予習しないでのチャレンジをしてみました。もちろん、社会教育委員の会議を傍聴したこともあるので、図書館協議会の役割などは知っていたのですが、以前の会議録を事前に読み込んだり、小金井市の図書館運営方針などを研究しませんでした。図書館を良く利用する一般の市民の気分で臨んでみました。以下が今回の第3回図書館協議会の議事次第です。

かなり内容は盛り沢山で、資料も多く、とても一回の傍聴を逐一報告していくとかなりのボリュームになりそうなので、今回は、特に気になった一部をご紹介します。議題のメインは、運営方針とそれに対するパブリックコメントについての検討なのですが、この案件は、パブリックコメントについては、資料への質問が何件かあったのですが、従来から、検討を進めてきたという運営方針の改訂版については、かなりすんなりと了承されました。気になったのは、議題ではなく、報告事項のいくつかです。

1)東分室、貫井北分室事業評価結果について

まず、業務委託をし、NPOなどが運営をし、非常に活性化されて、便利になったと聞いている新たに業務委託された東分室と数年前から業務委託され、最初に改革された北分室の業務委託評価という表(以下のようなもの)が示されました。

タイトル部分は抜かして、表の内容の1ページ目だけを上に貼り付けました。東分室と北分室の全評価でA3サイズ数ページに渡る表です。協議会では、ほとんどすんなりとC評価(低い評価の項目)だった他団体や組織との連携などについての項目について、改善を求めるような質問がでる程度で、なるほどという雰囲気のものでした。皆さんは、どのように思われるでしょう?私は、ビックリしました。まず、評価するのが、3者で「業務委託を受けている側」「委託している図書館」「図書館協議会(有識者、関連団体、市民)」という3者という点です。

当然、業務委託を受けている側が「業務委託評価」を低くする筈がないでしょう。委託された内容をできていなければ、以後の委託費用や契約があやうくなります。それよりも3者がほとんど「A」評価という実態が何より驚くべき評価表です。何も問題がなく、改善すべき内容もほとんどないという業務実態という評価です。私の経験では、こうした全A評価は、もしあった場合は、評価業務自体の大きな問題だと思うということです。つまりは評価システムの根本的な欠陥という意味です。評価の基本は、不断の「課題の発見」と「改善への摸索」「計画変更とその実施による再評価」という流れです。この流れを作るためのものです。この評価表を見て、あわてて、小金井市公式サイトにある以前の業務評価表を探しました。結果は、全て同じものでした。ほとんど業務委託開始後、全項目A評価の羅列というものでした。皆さんは、どのように思われるのでしょう?ちなみに以前傍聴した「行財政改革市民会議」でしたら、「A評価なら、なぜA評価のかが明記されていないのはおかしい」「何も問題、課題点が発見できない評価の意味は?」と厳しく追及されそうです。「業務委託だから、委託内容に沿ってキチンと業務が果たされているのだから、何が問題なのだ。」といわれる方がいらっしゃるのでしょう。だとしたら、課題、問題点の発見、改善への提案などを業務委託内容として、含まない委託自体の問題となるでしょう。是非、考えてみてください。

次にこうしたA評価を詳しくみるために一つの項目を取り上げてみます。ちょうど質問がでた37番目の項目「地域、行政資料は適切に収集されているか」という項目です。質問者は、実際に東分室に行って聞いたことがあり、地域、行政資料は、別なロッカーに保存されていることを初めて知ったということでした。そのこともあって、「一体、こうした資料を選定、収集する基準というのはあるのですか?」という至極当然のものでした。生涯学習課、図書館側の回答は、

「一定の選定基準で収集している。行政資料などは各課から、送られてくるものを収集している筈だが、棚のスペースなど、各分室の事情で貸し出していたり、閲覧できるようにしているかは、それぞれの判断で異なる」

というものでした。質問者は、「それぞれ選定基準があり、それに従っているのですね」と納得されたようです。実際に各分室と本館の地域、行政資料の実態を知っている私としては、発言できないもどかしさを感じながらも、「一体、どんな選定基準があるのかを知りたい」と望むのみでした。

ご存じの図書館関係の方がいらしたら、是非お教えください。

2)意見・提案シートの利用検討

次は、恒例の「意見・提案シート」の配置の検討というものです。今回、この図書館協議会では、初めてこのシートの設置が市側から提案、報告され、検討したようです。今回の協議会の傍聴者は私を含め、2名でした。

それぞれの委員からの意見は、この協議会の場合は、

「図書館長からの諮問された内容を検討し、意見する目的なのにそれ以外の傍聴者など、一般市民からのさまざまな意見や提案寄せられたら、そうしたことに対応して、検討することまでできるのだろうか?」

「どんな提案が来るかわからず、それ自体を委員長などが判断して、会議に欠けるのはどうかと思う」

「他の審議会などでは、傍聴券のしたに意見やコメントをする場所があるだけの簡単なものもあるようです。」

「そうした傍聴者の感想だけならいいのでは」

などが主な意見でした。シートをそのまま採用するのは問題が多いという意見が大多数で、結果、市側で再検討して欲しいと投げ返され、決まりませんでした。

なんともはや…。結果、今回、傍聴した立場としては、意見・提案シートは記入して、提出できないことで終わりました。市側の今後の対応次第となり、審議会への市民(傍聴席からの)参加、意見表明や提案などはまだまだ先になるか、望めなくなるかもしれません。以上、簡単ですが、第一回の報告とします。

追記:議事次第にある各項目に関心のある方は、この投稿のコメント欄にその旨、投稿いただければ、直接、資料も含め、ご報告いたします。

その2へ続く

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