コミュニティの担い手を発見する:1.栗山公園モデル編

現状の公園利用と管理内容を把握し、保全管理する行政機関の現状や利用する地域住民を知ることから、コミュニティの担い手づくりは始まるといってよいかもしれません。

1.管理者の小金井市の生涯学習課(運動施設管理)と環境政策課公園係(植栽、公園管理)の管理実態を知る

運動公園としての公園管理と緑の植栽豊かな公園としての公園管理が同時に存在している点を把握する

〇生涯学習課のスポーツ振興計画に位置付けられる運動施設管理

①健康運動センター管理:指定管理者()への管理委託

〇環境政策課の公園係の緑と水の公園としての緑地、池の保全管理

①市の公園(緑地、池)管理計画の把握

 

2.地域の運動公園としての利用を考える

建物としての健康運動センターがスポーツでの利用を前提としているために、

①運動場は、子ども用の運動遊具(幼児から、小学生)、センター広場は、サッカー教室(指定管理者が主催するサッカー教室に参加する小学生とその親)、フットサルゲーム(成年の倶楽部活動など)、ゲートボール(地域ゲートボールサークルの高齢者)、朝の体操(高齢者グループ)、近郊保育園や幼稚園の運動会利用(季節行事)、近所の親子の週末のスポーツ利用など

②運動場の周りのベンチや林の中、滑り台やジムなどの遊具は、家族連れ(親子や子ども同士)や学生などの遊び場として、団体のピクニック、花見。通年では、近所の外遊びの園庭のない保育園の外遊び(砂場など)、高齢者の日向ぼっこなどに幅広く利用されています。

③バーベキュー広場(近所の仲間、近郊の学校の専門学校生、大学生のグループ、家族、近所の仲間のバーベキュー利用)が主なものです。

④健康運動センター(建物内)は、各種のスポーツ、ダンス、体操、ヨガ、水泳などの教室が定期的に開催されて、地域の高齢者から、女性、こどもまでの広範囲な層に利用されています。もちろん、プールや器具を利用したアスレチックジムなどの利用、大ルームは、様々の運動、倶楽部活動、よさこいのチームなどの練習に利用されてもいます。

基本的には、若い親子から、学生、高齢者まで、多世代が共に利用しています。

次に、これらの既存の利用層を核に地域のコミュニティづくりを進めるプロジェクトを設計していきます。重要な点は、上記の利用者層を対象に現状の生活環境部会の各ワーキンググループの課題となる活動との連携を組み込んでプロジェクトを設計することです。

1)各ワーキンググループでの公園コミュニティづくりに活用するテーマ案を設計し、既存、潜在利用者に提案していく

<雨水利用WGのテーマ>

現状の

①池の地下水利用による水景観づくり

②プールの水の災害時の利用や雨水再利用

などを「水(雨水、地下水、水道水)活用、水循環社会づくり」学習へとつなげていく。

<動植物との共生WGのテーマ>

現状の地下水を利用した池や植栽、樹木、生垣などを対象に

①植物(樹木、花、実)や野生動物(鳥、昆虫)との共生などの学習とより良い共生とはを考える自然学習、楽しむイベント、遊びなどへとつなげていく。

例:生垣サンプル学習会から、小金井の生垣文化と市内の名生垣、名木ツアーへの拠点として提案し、イベントを開催する。(街中案内人、観光協会と連携) 季節に合わせて、来訪する野鳥観察会の開催や花の鑑賞会を実施する。

<食環境づくりWGのテーマ>

集まる親子や高齢者を対象として、「食育」学習=地域における「食」環境づくり(災害時、貧困対策)などと関連させ、運動施設内の食堂やバーベキュー広場を核にイベントやセミナーを推進していく。

①食と健康、スポーツの理解を深める多世代(若い親子から、高齢者まで。可能であれば保育士やスポーツトレーナーなども対象とした専門)に向けた学習環境づくり

②「共食」をテーマとした食環境づくりや地域・郷土食(JA東京むさしや地域の農家との連携)などの炊き出し(災害時、娯楽両面で)イベントや料理教室など(健康運動センターの喫茶室などの共同で企画運営)

③スポーツ利用層への社会参加という提案を進めます。具体的には、子ども食堂や地域の食支援の拠点づくりによる生活困窮者や孤立化傾向のある高齢者などへの支援ボランティア活動を展開する(例:食品倉庫や管理事務業務をできるスペースづくり:フードドライブのピックアップ拠点と共食空間づくり)

などをテーマに地域コミュニティづくりへの参加層を募っていく予定です。