雨水風土からの環境保全:その1

地域の雨水風土に関する知識を深めた次の展開は、その知識を活用した環境保全活動の立案と実施です。このコーナーでは、そうした試みを提案していきます。

降雨データの活用しての雨水管理推進への提案

前出の地域の基本降雨データを知った上で、次の段階で大事なことは、「どのようにこの知識を活用したらよいのか?」ということです。それが最も大事な雨水活用への視点です。以下、自分たちは、どの時期にどんな作業や準備をしたらよいのかを考えていきます。

【個人宅編】

1)自宅に雨水貯留設備(タンク)などのある場合:

乾燥した晴天時期に常時、植栽などへの散水や洗車などに利用されている場合は、タンクの清掃や送水管の詰まり、雨どいの砂や泥などの詰まり清掃は必要ないのですが、普段使われていない場合は、この時期に雨の準備として、清掃と溜まって使われていない雨水を使いきっておき、貯水可能な状態にしておくことが重要です。降雨量の多い時期は散水なども必要がないので、溜まる一方ですので、貯水タンクは空にしておくことが大事です。

ほとんどの貯留タンクは貯水量を外部からチェックできるようになっているのですが、知らない内に溜まっていて使っていないということも多いのが実情ではないでしょうか?さらに、取水口や排水口に砂や泥などを濾すためのフィルターのある設備でもそのフィルター清掃や貯留タンク内を定期清掃していないとごみが溜まって流れない、取水できなくなっているなどということも良くあります。雨の時期前には、是非点検したいものです。このような設備の保守、清掃管理などの際重要なのは、設備の取扱い説明書です。保管していない場合は、是非、メーカーから取り寄せておくと、いざ故障したなどというときにも便利です。

参考情報:部会で2017年に実施した公共施設の雨水貯留施設調査報告を参考に自宅の貯留タンクなどもチェックしてみてください。

2)自宅に雨水貯留設備がないが、雨水浸透桝などを設置している場合:

普段は、ほとんど気にしていない雨水浸透桝ですが、こうした設備のある住宅では、建築後、屋根や屋上の取水口から、雨水を自動的に取り込んで、地下に浸透させています。施工後、全く気にせず、そのままにしているというのが住人の現状でしょう。

ただ、こうした住宅のせっかくの設備も雨水取水口がふさがっていると、あふれた水は、壁や雨どいの外側を伝ってしまいます。庭が土壌の場合は、一部は、浸透していきますが、降雨量が多いと道路や舗装面へと流れ、下水に排水されてしまいます。せっかくの浸透設備をいかすためにも降雨期前には、是非、雨水の取水口を点検したいものです。特に屋根の雨どいから、取水している場合に、起きやすいのが、雨どいへの泥や落ち葉などが堆積して、取水口から、取水できなくなっている場合です。

小金井は、風邪も強いので、砂や泥が雨どいや屋上に溜まりやすく、取水口が塞がりやすく、定期的な清掃は重要な降雨期前の準備作業です。また、春の花の時期後の花弁などや秋の落葉の時期後にも、そうした屋根からの異物が取水口を詰まらせていないかの点検が必要です。時期的には乾燥期と雨期の最初の頃や乾燥して、泥などが舞い上がった後に溜まった屋根の泥などが最初の雨で、流れ出す時期が重要です。

【中小規模の集合住宅編】

基本は、個人宅と同様ですが、雨水関連設備は、共有部分なので、管理人や大家さんが保守管理を担当されている場合がほとんどでしょう。是非、入居する際に、どのような設備になっているのかを聞いて、可能なら、居住者間で協力するか、管理人の方にお願いして、設備清掃を心掛けてください。

中々、こうした保守管理は、難しいのが現状です。大家さんも管理人さんもそんなことまで手が回らないというのが実情です。地域の町内会などで皆で協力して、地域内のこうした集合住宅の雨水設備設備保守を実行することを検討することも大切なのではないでしょうか。

【大規模集合住宅編】

3)自宅外の近所の雨水対策について:

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