小金井市議会傍聴報告:2018年12月市議会・建設環境委員会 その1:キンヒバリの里に関する陳情

2018年12月市議会から開始した「建設環境委員会」12月11日の傍聴です。

Web傍聴の動画ファイル(10:00-12:00)はこちらから

田中氏(はけの自然を大切にする会):協議会での陳情説明(署名している6団体の陳情)

1)陳情団体の紹介

地域の町会とそれ以外の以下の市民団体や任意団体のようです。「はけの道町会」(中町四丁目町会からの分離した町会):2009年のキンヒバリの里の取得実施。
「ほたる村」、「野川ビオトープの会」(平成12年)、「はけの自然と文化を守る会」(2016年)。今回は、6団体が陳情に名前を連ねたようです。詳細は、陳情書を見ないと不明です。


2)陳情内容

150坪の駐車場以外に残された未購入の30坪の民間利用をさせないために市で保全のために買い上げてほしい。はけの森美術館の国の重要文化財指定のタイミングもあり、民間開発の入ることを避けたい。10年以上の活動を経て、昨年末までに500万円を寄付を集めた(ナショナルトラストとしての保全のため>詳細は、ほたる村のこちらのページをご覧ください。)。それを利用して購入して欲しいが、こうした寄付(負担付寄付)を利用できないという旨が市側より通告された。さらに追加でロータリークラブからの100万円の寄付を提供する予定なので合計600万円を購入資金に役立てて欲しい。

●各議員からの質問

たゆ、渡辺議員からのコメント:自然風土文化としての価値が高い土地との意見。都市計画の観点、自然保護の観点からのどう市側は考えているのかを確認したい。

市側(環境政策課)の意見:
負担付寄付は不可。所有者が自然保護の観点から、実施されたものを市が支援するのが基本。その意味で所有者からの寄付の申し出がない段階で寄付を受け取ることができない。予算的にも環境政策課の他の環境保全事業と比較、検討しても、優先できないという判断で購入推進をお断りした。緑の保全としても数年前より駐車場になっている場所なので緑地保全事業とは扱えない。再生事業としては、個人の保全活動を支援することとしている。市内の公園の管理保全に充実に注力しているので、こちらを優先したい。

吹春議員:一律の緑の保全という視点での判断、公園などの保全と優先順位を検討する対象では、ないのではないか。価値判断が違うのではないか?歴史自然の保全ではないのか?市長の意見は?

西岡市長:いままでの長い期間のキンヒバリの里の保全の市民の努力は高く評価したい。行政としての立場からは、環境政策課が述べた通りだが、私としてはその価値は認識している。

吹春市議:資料請求をしたい。こうした場合の保全活動の事例資料を求めたい。

委員長:次回の委員会までに資料準備を。宅地、駐車場が取得、保全の対象となったという事例の資料を求めたい。継続審査していくという提案ですね。

篠原議員:市議会の意志を決定することを求められているのだから、継続審査としても、それを決定していくべきではないか?その決定を市側がどう対応していくかは、市側の問題。

たゆ議員:民間所有者の意志が不明としているが、その所有者が市に売る意志がある場合は、市はどうするのか?

環境政策課:駐車場という現状の場合、所有者が売る意志があった場合、どうするか、具体的には、数千万円という予算をかけて、駐車場を購入するべきかどうかを判断することになる。

坂井議員:先日の市長の村山議員の一般質問への答弁からはその地域の価値評価は高いことがわかります。市民の次世代へ自然保護を継承を要望している事実を汲んで、その市長のビジョンを提示して欲しい。

西岡市長:まだ課題が多くある。

斎藤議員:資料請求をして、継続審議をするのではなく、採決した方が良いのでは、議事進行への提案としておきたい。

村山委員長:それでは、協議会を継続して、各会派の意見をまとめることもあると思うので、一応休憩をとってから、再開したいと思います。

吹春議員:資料要求を取り下げます。

村山委員長:質疑を終了して、討論も終結して、採決にします。ご異議ありませんか。無いと認めます。採択の上、市長に送付に決定しました。

非常にわかりやすい陳情です。市民活動と行政側、市議会の関係が見えてきます。10年以上も以前から、市民活動として、継続されてきたものを見ている行政が、いざ土地の購入を陳情すると優先順位から、不可とするわけです。駐車場にしたのも所有者がその土地を持ち続けるための致し方のない手法であることも解っていて、駐車場で緑地ではないから保全は不可とする構造茶番としか思えません。永く、市民の努力に任せて、ほったらかしてきた誰(市長も)もが自然遺産として重要と感じる場所をほったらかしておいて、今は駐車場だから保全できないという論理は、奇妙なものです。市内の公園の管理で忙しいので後回しという論理に納得できる市民は少ないと思います。ただ、しっかりとこのキンヒバリの里をどのようにしていくことが大事でなのかを考えていくことがなにより重要でしょう。谷口邸とこの周辺のはけの森の資産、自然遺産をどのように守っていくかを考えたいものです。

<その1、キンヒバリの里の陳情についての委員会審議 了>

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