審議会傍聴報告:2018年第2回環境審議会 第2弾

今回は、第2弾です。2)でご紹介した「内部環境監査」をより深く考えていきます。

3)環境マネジメントシステムについての検証

この環境マネジメントシステムは、2009年に策定、開始された市役所の庁内での環境改計画です。概要は、小金井市の公式サイトにあるこちらのページ、詳細実施計画「小金井市環境マネジメントシステムマニュアル」のPDFは、こちらをご覧ください。

あくまで、市役所内の環境改善推進のように見えますが、実際の小金井市の第2次基本計画の計画の進行管理と評価という頁(以下に掲示します)を見ると、この環境計画のPDCAという計画管理実行サイクルとしては、庁内内部監査だけが「環境マネジメントシステム」として明示されているだけで、外部や市民、その他の団体による監査、評価は、具体的には示されていません。必要性のみ語られ、システムとしては存在していないのです。また、この庁内の環境改善管理システムともいえる「環境マネジメントシステム」の評価、改善、見直しは、行政自身によるもの以外は、この環境審議会にその役割が課されているのです。

以下の第2次環境計画の進行管理と評価の頁をご覧ください。

1ページ目の図には、しっかりと下の方に「環境基本計画の点検・評価」という内容が明示されているのですが、2ページ目にもあるように外部評価としては、「環境審議会」の評価を受け、環境報告書に掲載するとされています。実際この文章にも審議会の指摘を受け「自己評価になっている」「評価の再構築が課題」としているのです。この計画が策定された時点(2009年)で課題とされたこれらが、平成30年の現在、どこまで解決しているのでしょう?その課題を厳しく問い直し、意見するのが「環境審議会」の役目なのです。

以下に上記の小金井市環境マネジメントシステムマニュアルの最終頁に2009年の策定当時の環境審議会よりのコメントをご紹介しておきます。

「環境マネジメントの元来の意味は、生産・流通過程に自然資源を効率的に 投入し、廃棄物の回避、再利用、削減の可能性を追求し、企業間の競争に資 することである。 自治体と並び企業がその対象となるべきところ、経済界の反対で自治体の みが制度上、環境マネジメントを行うことになった。 このような目的から、環境マネジメントは、①自然資源の効率的な利用(電 気、水などと)廃棄物の軽減・再利用(3R)がもたらす環境への負荷の計 量と同時に②マネジメントが自治体行政の運営にどの程度のコスト(経済) 軽減を生んだかが同時に計量化され、示されることが望ましい。 審議会で説された、「小金井市環境マネジメントシステム・マニュアル」 は市行政内部でのマネジメント参加組織と項目が的確に示されている。 しかしマネジメントの前述の効果が計量化されず、このままでは定性的な 説にとどまることになろう。 眼目は地域社会を形成する市民・企業・自治体のうち、先行して自治体が 市民と企業に、自らのマネジメントの効果を発信し、その方法(マニュアル) をモデルとして示すことである。 この情報発信の工夫が凝らされなくてはならない。 環境マネジメントは、その制度の主旨に照らし、自治体行政内部の試みを もって終結するものではない。地域社会を構成する市民と企業に、環境イノ ベーションともいうべき、その成果を伝播していただきたい。

小金井市環境審議会(会長 原剛) 2009 年 1 月 15 日」

上記のコメントの赤字の部分は、私が赤字にしたものです。今回の内部環境監査は、この環境基本計画全体ではなく、環境マネジメントシステムという庁内のみのものなのです。それが今回の報告のような管理・評価レベルでモデルとして示され、市全体の環境計画の進行管理、評価に反映できるのでしょうか?

現状は、2009年の策定時の環境審議会のコメントは、継承どころか、見直しもされていません。毎年行われ、市長に提案されるとマニュアルに示されている環境マネジメントシステムの見直しは、進んでいるとは思えません。その証拠にこのマニュアルの改定はこの策定時の2009年から、なされていないのです。

この問題は、私たち、小金井市環境市民会議にも突き付けられています。生活環境部会では、談話室フォーラムで「雨水活用について」の環境基本計画の進捗と評価、及び見直しなどの検証を進めていますが、環境基本計画全体では、まだ、手付かずの状態です。第2次基本計画の後期(平成30年~32年)の後に、策定される第3次環境基本計画(平成33年~)は、その2年前の来年には策定が開始されます。今年は、その準備期間でもあるのです。市民会議でもこうした現状を取り上げ、討議していけたらと考えています。

こうした背景から、今回の環境審議会で環境政策課から、提示された平成29年度の環境報告書案については、ここで述べるまでもないかもしれません。是非、報告書が公開された後、手に取って、これまでの話を念頭にご覧いただけたらと思います。

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<第2回環境審議会報告 了>

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